2018年2月22日(木)
 2月20日に開かれた衆議院予算委員会で大西健介衆院議員(希望の党、前民進党)がパチンコ関連の質問を行い、政府側から小此木国家公安委員長(国務大臣)が答弁した。さらに政府が立法化をめざすカジノ関連の質問には安倍総理が答弁に立った。
 大西議員はまず2月1日から施行されている新規則の目的はギャンブルの抑制かと質問した。これに小此木大臣は過度な遊技が抑止され、一定の効果があると答えた。続いて大西議員は「過度な遊技」の意味について質問。小此木大臣は射幸心という言葉がある、過度な遊技とはこういうもの(射幸心)を抑える意味があると述べた。
 これに対し大西議員は、射幸心を助長する行為を刑法が賭博罪に規定する一方、風営法では射幸心をそそるおそれのあるものとある、どちらも射幸心であり、パチンコも刑法で禁止するギャンブルではないかと迫った。
 刑法上賭博等が犯罪とされている理由について小此木大臣は賭博行為が射幸心を助長する点を改めて指摘。パチンコは射幸心をそそるおそれのある営業だが、風営法の規制の範囲内で行われている限り、射幸心を助長するには至らない、よって刑法第185条に抵触する罪には該当しないと述べた。
 一方、警察は、政府は換金を認めているのかとの質問には、客が賞品として受け取った後に、パチンコ営業者以外の第三者にその賞品を売却することもあると承知していると答弁。カジノに設置されるスロットマシンとパチスロの違いに関する質問には、スロットマシンは現金を得るか失うかを争うもの。パチスロは風営法により現金または有価証券を賞品として提供することが禁じられている。こうした規制の範囲内にあるパチンコ営業は賭博罪には該当しないと重ねて指摘した。
 しかし大西議員は、政府は、開業をめざすIRカジノとの関連からギャンブル依存症対策をパチンコにも求めると同時に、慌てて出玉規制(規則改正)をやって射幸心を抑えにかかっていると反論。さらにカジノが国内10箇所にできても売上合計は2.2兆円(試算)であるのに対し、2016年のパチンコの売上は21兆6,260億円(推計)。10倍に達している。カジノ関連の規制を議論するのは必要だが、パチンコは野放しでいいのかと、安倍総理に直接答弁を求めた。
 安倍総理は、パチンコに関する政府の認識は小此木大臣の答弁にあったとおりだが、一方のIRは、いわゆるギャンブルとは違う、統合型リゾートである。しかしギャンブル依存症については同じ対策が必要ではないかとの指摘は承知しており、依存症対策についてはしっかり整えていくことが重要だと認識していると述べた。グリーンベルト

 

2月9日に民進党の真山勇一参議院議員が提出した「賭博及びギャンブル等の定義及び認識に関する質問趣意書」に対し、政府が回答した。
 質問主意書の中で真山議員は「三店方式」の確立したぱちんこが刑法上の賭博にあたると認識するかどうかを質問。賭博にあたらないと認識する場合はその理由は何かを尋ねるとともに、現在政府が検討を進めているギャンブル等依存症対策の「ギャンブル等」の定義について回答を求めていた。
 これに対し政府は刑法第185条で定める「賭博」とは、偶然の勝負に関し財物の得喪を争うことと解されると回答。依存症対策の対象となる「ギャンブル等」の定義については、広く公営競技、ぱちんこ等の射幸行為であって、これにのめり込んでしまい、生活に支障が生じ、治療を必要とする状態の者を生じさせているものと答えている。
 また「三店方式」の確立したぱちんこが刑法上の賭博にあたると認識するかどうかでは、「三店方式」が確立したぱちんこの意味するところが必ずしも明らかではないが、パチンコ営業については風営法に基づく必要な規制が行われており、規制の範囲内であれば刑法185条の「賭博」に該当しないと答えているグリーンベルト